SOLUTION 騒音対策プラン 自然騒音

環境条件に応じた対策事例

北海道・長万部町「水柱」対策の事例から

自然がもたらした「騒音災害」

2022年8月8日、北海道南部の長万部町で、地中から突如水が噴き出し、高さ30メートルを超える巨大な水柱となって周辺住民に被害をもたらしました。

地下に溜まった天然ガスの圧力によって噴き出た温泉水とみられるこの水は塩分を含み、水しぶきによって近隣住宅や農作物に塩害をもたらしました。

また、轟音を立てながら何日も吹き出し続ける水柱の騒音で睡眠障害やめまいなどの健康被害も発生する状況でした。

私たちの技術で対策ができる

騒音に悩む住民の様子を伝える報道に触れた私たちは、すぐに長万部町役場に電話で連絡を取り「私たちの技術で対策ができる」と伝え、現地に飛びました。困っている住民の役に立ちたいと、無償での施工を申し出ました。

騒音測定値は、最大で80dBに達する程の大きさでした。いつ鎮まるかも予測できない山中の水柱に対して、施工可能かつ効果的な対策を早急に打ち立てる必要がありました。視察を重ねてたどり着いた防音対策が「煙突型のサイレンサー」でした。水柱を囲う形で防音パネルを10メートルの高さまで積み上げる設計です。

再び起こり得る騒音問題に対策を

設計が固まった時点で、既に水が噴き出し始めてから1ヵ月が過ぎていました。9月末までに施工を完了させるため、京都ではパネルの製造が急ピッチで進められました。

そして、いよいよ施工を間近に控えた9月26日、50日間にわたって吹き出し続けた水柱が、吹き出し始めた時と同じく突然止まったことが確認されました。

専門家の見立てでは「可燃性の天然ガスが1か月以上噴出したことで、地下に蓄えられていたガスの圧力が低下し、ガスが抜けた状態となったことで水柱が停止した可能性が高い」とのことでした。

一旦は止まったものの、いつまた噴き出すか分からないため、28日には噴出口にバルブが仮設置され、翌29日に当初の予定通り当社による防音装置の取付が行われました。

騒音の種類に合わせて柔軟に対応を続ける

全国でも例を見ないこの水柱による被害は各メディアで連日報道され、多くの方が「騒音という自然災害」が身近に発生し得ることを認識する機会になりました。主に工場や施設の機械音など人工的な騒音に対する対策を行っている当社にとっても、今回の対策事例は従来とは異なる工夫が求められるものとなりました。また、自然災害の発生タイミングが予測できない中でいかにスピーディーな対策を講じられるかという課題も残されましたが、私たちはそうした課題に対応する技術とアイデアを模索していきます。

騒音でお困りのことがあれば、対象となる音源の種類を問わずご相談ください。全力で解決の方法を見出し、ご提案いたします。